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最も一般的な黄銅(真鍮)は、銅65%、亜鉛35%のものである。また、銅と亜鉛の割合によって物性が変化する。JISでは銅合金として扱われ、材料記号は頭文字Cで始まる4桁記号で表される。
下記に例を示す。
C2600:七三黄銅(銅が約70%、亜鉛が約30%) イエローブラスとも言う。
C2801:六四黄銅(銅が約60%、亜鉛が約40%) 黄金色に近い黄色を示す。

五円硬貨の組成は銅60-70%、亜鉛30-40%となっており、他の合金硬貨と比較して広範囲の組成が許容されている。
これは第二次世界大戦直後に発行された硬貨に、戦時中に使用した兵器のスクラップを材料に用いたことの名残である。
1946年(昭和21年)5月に発行された50銭黄銅貨幣(鳳凰)は、戦時中に日本軍が使用していた薬莢や弾帯などに使用された
スクラップの黄銅を再利用して作られた。スクラップであるがゆえに、素材も構成は銅が60-70%、亜鉛は40-30%と幅が広かった。
以降、この素材の組成が、五円硬貨を含む日本の黄銅貨の伝統となった。

1948年(昭和23年)9月21日:五円黄銅貨制定(10月25日発行)。素材は黄銅。図柄は国会議事堂。穴が開いていない。
なお、五円硬貨は金属板を円形に打ち抜いたのちプレス(打刻)して製造されるが、1963年(昭和38年)以降、
金属板を円形に打ち抜くところまでは民間企業に外注している


素材 黄銅((真鍮)

品位 銅 60%〜70% 亜鉛 40%〜30%
量目 4.0 g 直径 22 mm
孔径 なし

図柄 (表面)国会議事堂(裏面)鳩、梅花
周囲 ギザあり

発行開始 1948年(昭和23年)発行数  74,520,000枚
発行終了 1949年(昭和24年)発行数 179,692,000枚