五百円白銅貨(初代)
1982年(昭和57年)に五百円紙幣(岩倉具視の肖像のC五百円券)に替わり登場した。表面には桐が、裏面には竹と橘がデザインされており、
裏面の「500」の数字の書体はC五百円券に由来する?。材質は銅75%、ニッケル25%の白銅製であり、
同じ白銅系の五十円硬貨・百円硬貨より大きくすることは当然だが、どの程度大きくするかについて、携帯の便、他の貨幣との識別、
諸外国の高額貨幣とのバランス、自動販売機等の関係を検討した結果、直径26.5mmという大きさになった。なお厚みは実測で1.85mmとなっている。
縁には偽造防止技術の一つとして「◆ NIPPON ◆ 500 ◆」の文字(レタリング)が繰り返し刻印されており、
造幣局創業以来初めて採用された技術であるが、その刻印は、円周の文字の刻印の向きに対して裏表を揃えずに刻印しているため、
「◆ NIPPON ◆ 500 ◆」の文字を正しく読めるように置いた時に上面が表になるものと裏になるものとがほぼ半数ずつ存在する。
年銘では昭和62年銘の製造枚数が最も少なく(277万5千枚)、昭和64年銘がそれに次いで少ない(1604万2千枚)。
これらの年銘の未使用硬貨は古銭商などで額面を超える価格で取引されている。「500円」が以前と比べて「大金」ではなくなり、
500円紙幣が粗雑に扱われるようになって2〜3年でボロボロになるようになったため、
抜群の耐久性(寿命20年)を誇る硬貨で発行されるようになりました。ただ、500円という金額は日本人にとっては「小銭」でも、
外国人にとっては「大金」であり偽造防止対策を講じ無くとも大丈夫なのか、という懸念は500円白銅貨発当初から懸念されていました。
平成に入り、材質・大きさが酷似した韓国発行「500ウォン白銅貨(邦貨換算46円程度)」をグラインドカッター等で削り取り、
重さを7.2gに合わせると、日本国内の自動販売機・ATMでは「正規の500円白銅貨」と認識されてしまったため、
大量の変造韓国ウォン硬貨が日本国内に持ち込まれた上に、多額の金銭や商品が盗まれる被害が多発しました。
この様な事情の為、2000年(平成12年)に五百円ニッケル黄銅貨に引き継がれる形で発行が停止された。
なお「平成十二年」銘の初代硬貨は製造されたものの、結局発行されなかった。